子連れ再婚、養子縁組は必要?
子どもがいる方が再婚した場合、再婚相手と子どもは、自動的に法律上の親子になるのでしょうか。
これは、親が再婚しただけでは、再婚相手と子どもの間に法律上の親子関係は生まれません。
法律上も親子になるためには、原則として「養子縁組」という手続きが必要です。
では、養子縁組をすると何が変わるのでしょうか。
今回は、子連れ再婚を考える際に知っておきたい、養子縁組の基本についてお話しします。
🍃養子縁組をすると何が変わる?
子連れ再婚で一般的に利用されるのは「普通養子縁組」という制度です。
普通養子縁組をすると、再婚相手と子どもの間に法律上の親子関係が生まれます。
具体的には、次のような変化があります。
扶養義務が生じる:養親と子どもは、法律上、互いに生活を支える義務を負います。
相続権が生じる:養親が亡くなった場合、子どもは法律上の相続人になります。
親権に関わる:未成年の子どもについて、養親は法律上の養育や財産管理に責任を負う立場になります。
そして、ここはぜひ知っておいていただきたい点です。
普通養子縁組をしても、実の父親・母親との法律上の親子関係はなくなりません。
🍃特別養子縁組とは?
養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」があります。
特別養子縁組は、実の親による養育が著しく困難な場合などに、子どもの利益のために家庭裁判所が成立させる制度です。
原則として15歳未満の子どもが対象となり、実親側との法律上の親族関係は終了します。
子連れ再婚で一般的に考える養子縁組は、普通養子縁組です。
参考:法務省「養子縁組について知ろう」
https://www.moj.go.jp/MINJI/kazoku/youshi.html
🍃15歳以上の子どもは、本人の同意が必要?
養子縁組の手続きでは、子どもの年齢も関係します。
15歳以上の場合は、原則として子ども本人が養子縁組の意思を示す必要があります。
15歳以上の子どもは、養子縁組届の届出人となり、原則として本人が署名します。届書には成年の証人2人の署名も必要です。
15歳未満の場合は、親権者などの法定代理人が子どもに代わって承諾します。
ただし、15歳未満だからといって、子どもに説明しなくてもよいということではありません。
例えば、子どもがこんな不安を感じることもあるかもしれません。
「新しいお父さんと親子になったら、前のお父さんにはもう会えなくなるの?」
普通養子縁組をしても、実の親との法律上の親子関係がなくなるわけではありません。
ただし、実際に会うことができるかどうかは、面会についての取り決めや、それぞれの事情によって異なります。
また、名字が変わることや、学校での呼ばれ方を気にする子どももいるでしょう。
養子縁組とは何か、何が変わり、何が変わらないのか。
子どもの年齢や理解に合わせて説明し、疑問や不安を聞くことも大切です。
なお、親権の状況などによって、養子縁組に必要な同意や手続きが異なる場合があります。
参考:法務省「養子縁組について知ろう」
https://www.moj.go.jp/MINJI/kazoku/youshi.html
🍃家庭裁判所の許可は必要?
未成年者を養子にする場合、原則として家庭裁判所の許可が必要です。
ただし、再婚相手が配偶者の子どもを養子にする場合、通常は家庭裁判所の養子縁組許可は必要ありません。
例えば、子どもがいる女性が再婚し、新しい夫がその子どもと普通養子縁組をするケースです。
この場合、必要な要件を満たしていれば、市区町村役場に養子縁組届を提出することで手続きができます。
ただし、親権者や監護者の同意に関する問題など、別途家庭裁判所の手続きが必要になる場合もあります。
参考:裁判所「養子縁組許可」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_08/index.html
🍃共同親権の場合は?
2026年4月からの法改正により、離婚後も父母が共同親権を持てるようになりました。
共同親権の場合、15歳未満の子どもの養子縁組には、原則として父母双方の承諾が必要です。
意見が一致しない場合でも、子どもの利益のために特に必要と認められれば、家庭裁判所が父母の一方を養子縁組についての親権行使者に指定し、その親だけで手続きを進められる場合があります。
また、再婚相手と養子縁組が成立すると、再婚相手とその配偶者である実親が共同親権者になります。
もう一方の実親は親権者ではなくなりますが、法律上の親子関係は残ります。
参考:法務省「養子縁組に関するルールの見直し」
https://www.moj.go.jp/content/001430821.pdf
🍃養子縁組をしたら、名字は変わる?
普通養子縁組では、原則として子どもは養親の名字を名乗ることになります。
ただし、再婚に伴って子どもの名字を変更する方法は、養子縁組だけではありません。
例えば、家庭裁判所で「子の氏の変更許可」を受け、市区町村役場に入籍届を提出することで、子どもの名字を変更し、実の親と同じ戸籍に入る方法があります。
この方法では、再婚相手との法律上の親子関係は生まれません。
つまり、
名字を変更して実の親と同じ戸籍に入ることと、再婚相手と法律上の親子になることは、別の問題なのです。
名字の変更については、前回のブログ「子連れ再婚、子どもの名字はどうする?」でも、私自身の経験をご紹介しています。
参考:裁判所「子の氏の変更許可」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_07/index.html
🍃養子縁組をするかどうか、どう考える?
養子縁組をすることで、再婚相手は法律上も子どもの親となり、権利と責任を持つことになります。
一方、法律上の親子関係を結ばなくても、再婚相手と子どもが家族として暮らしていくことはできます。
そして、もう一つ知っておきたいことがあります。
養子縁組をした後に夫婦が離婚しても、養親と子どもの法律上の親子関係は自動的にはなくなりません。
その関係を解消するには、原則として別途「離縁」の手続きが必要です。
だからこそ、今の暮らしだけでなく、その先のことも見据えて考えたいものです。
大切なのは、養子縁組をすることが子どもへの愛情の大きさを示すわけではない、ということ。
それぞれの家庭の事情を踏まえ、法律上の意味を理解したうえで判断していくことが大切だと思います。
参考:法務省「養子縁組について知ろう」
https://www.moj.go.jp/MINJI/kazoku/youshi.html
🍃詳しく知りたいときは、どこに相談する?
養子縁組について確認したいことがある場合は、相談内容によって窓口が異なります。
市区町村役場の戸籍担当窓口
養子縁組届や入籍届の提出方法、必要書類など、届出に関することを確認できます。
家庭裁判所
家庭裁判所の許可や審判が必要な場合に、申立ての方法や必要書類などの手続案内を受けられます。ただし、個別の法律相談には対応していません。
弁護士
親権、実の親との関係、養育費、相続など、個別の事情を踏まえた法律上の判断が必要な場合の相談先です。
どこに相談すればよいか分からない場合は、法テラスで相談先の案内を受けることもできます。
参考:法テラス(日本司法支援センター)
再婚に向けて法律上の確認が必要な場合、Re:Connectでも、お話を伺いながら必要に応じて専門家や関係機関をご紹介しています。
※この記事は、日本の普通養子縁組制度についての一般的な解説です。実際の手続きや必要な同意は、ご家庭の事情によって異なるため、関係機関や専門家にご確認ください。


